魔界2のさわりです。
「人を殺す計画」があるとき、あの連中は、必ず生命保険を絡めて儲け、そのカネを「仲間」に配分することを約束する。
とんでもない金額の報酬を約束された一味は、なんとしても、Kの暗殺を成功させようと躍起になる。何しろ、手付金だけでもびっくりするような金額だった。それで車も買ったし、キャバクラにオンナもできた。
公共交通機関の事故による死亡であれば、誰にも疑われない。巨額の保険をあちこちに掛けても、警察が動いたり、生保が支払いを拒否したりすることはない。旅行保険といった便利なものもある。短期間の掛け金で、巨額の保険金が下りてくる。
通称ボロサリ~ノなる「組織」の幹部に懇切丁寧に計画の説明を受けた一味は、「これなら絶対大丈夫だ」と得心する。過去の数多の成功事例を聞かされて、さらに成功の確信を深める。そして、安心して、ボロサリ~ノの描いたシナリオどおりに事を進める。
全てがうまくいくはずだった.....だが.....
何もかも失敗した今、一味は、警察が「保険」に気がつくことをひどく恐れているのであった。
小説「魔界2」の原稿から一部を抜粋してお送りしました。